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今年の9/10月を振り返る

芝生の一年において、一番キレイに仕上げようと目標に掲げた運動会が、無事終了しました。ここに至るプロセスを次年度以降につなげる意味で、今年の9/10月を振り返りたいと思います。


9月初旬

芝生はだし月間が始まりました。夏休み期間で概ね回復した芝生ですが、子供たちが学校に戻り、校庭で元気に遊ぶようになると、段々と下降気味になりましたが、肥料、水まきの調整を行い、青々とした良い状況を保つことができました。週3回の芝刈りで、1回につき刈芝1〜2袋ほど出ます。ロータリー(乗用芝刈り機)と芝生双方を使って芝刈りを行いました。

9月中旬

かやのきフェスの前週あたりから、ロータリーの刈芝に枯芝がかなり混ざり、量も減ってきました(半袋ほど)。校庭全域のベースになる夏芝が、かなりへたってきていることから、芝のストレスを軽減する目的で芝刈り作業を中止、かやのきフェスの週は、週3を1回にして状態キープに注力しました。

9月下旬

いよいよかやのきフェスです。雨の影響もあって芝刈り回数を更に減らし、週1回の作業にしています。残りの2回は、小枝や小石、落ち葉拾い、目土をコツコツ続けました。夏芝のピークであり、かなり良い状態の芝を、かやのきフェスで多くの方々に体感していただけたかと思います。



 

10月初旬:オーバーシード

9月29日のオーバーシード(冬芝の散布)が無事終了し、校庭での大きな行事がないまま、秋休みに突入です。冬芝は4日後の10月3日には2cmほどに伸びて、完全に目視できるような大きさになりました。地温・水分・肥料など、発芽の条件が整う、とても良いタイミングだったと思います。


今回のオーバーシードでの大発見は、夏芝があまり育たなかった3箇所(桜の下/掲揚台前/理科室前)で、想像以上に冬芝が育ったことです。当初3箇所は、大きな日陰のため日照不足が原因で芝が生えないと言われていましたが、そうした日当たりが落ちるものの、湿潤な場所の方が育ちやすい種があるということを立証しています。この時期、朝晩は多少涼しくなってきましたが、まだまだ夏の暑さが顕著に残っていたことからも、来年は種の工夫をしても良いかと思いました。

10/5 だいぶ長く伸びています

10/8の桜の下


10月中旬

10月10日に秋休みが終わりました。前述の3箇所に関しては、かなり発芽し、効果を感じましたが、その他の大半の場所では、イマイチの状況でした。学校は休みでしたが、放課後クラブやなかよし園など、芝を全く踏まない状況は難しく、来年は数日でも良いので、丸一日誰も踏み入れない状況をいかに作るかが課題のように思います。


そうした状況も鑑みまして、10/12に液体肥料を散布しました。通常の粒状の化成肥料は1ヶ月かけてゆっくり効果が出ます(緩効性)が、液体肥料は即効性があり1週間ほどで効果が見えるということでした。種から発芽するタイミングや、花を咲かせるタイミングなど、植物には重要なタイミングがありますが、この液肥のタイミングは、絶妙だったように思います。この間ストレスになる芝刈りは一切行わず、オーバーシード前の9/28以来16日ぶりの10/14に実施しました。

液体肥料散布5日後、一回芝刈りを行った後の10/17の写真です。枯芝も含め3袋の刈芝があり、全体的に緑は薄くなったものの、冬の芝がしっかり育ち、とても良いコンディションに仕上がりました。この間、15日に予定されていた地区運動会は、残念ながら午前中の集中した雨のため中止になりましたが、芝生にとっては、とても良い休暇だったように思います。

10/8の桜の下の写真と比較すると、驚くべき芝の成長がありました。

10月下旬

いよいよ本番です。なかよし園の運動会が10/21、小学校が10/28でした。前日には多くのシバッカリィーズの子供たちが集まって、仕上げ作業をします。小枝や小石、落ち葉もないように一つ一つ拾う根気のいる作業を、保護者の方と一緒に楽しみました。

運動会当日、桜の木の下は、ふさふさに冬芝が生えました。

結局10月、芝刈りの作業(ロータリー+手押し)は、10月14日の1回のみとなりました。本来週2回ほどを予定していましたが、芝の状況を専門家に細かく送りながら、なんとか運動会には形になったように思います。「芝刈りも芝にとってはストレス」という専門家のお話が良く分かりました。



今年の9・10月からの提言


1.踏圧のコントロールが最重要:「芝生はだし」の習慣化

  • 今年は結局、11月まで夏日がある100年に一度の異常高温な訳ですが、夏芝は想定通り、9月の中旬からは枯れ始めました。夏芝の好きな環境条件であり、散水も施肥も、十分であったことから、踏圧こそ芝生にとって一番の問題であることが分かりました。

  • 今年は「芝生はだし月間」として、9月・10月の踏圧軽減を目指しました。もし靴で走り回っていたら、あの状況は完全になかったと思います。そう考えると、来年以降も「芝生はだし月間」もしくは「はだしを日常に」していくべきだと思います。小平十三小学校では、5月〜10月までは、基本的に「はだし」だそうです。

2.完全にOFFの日を作る

  • 芝生が植物である以上、人間とは異なる生活のリズムがあります。植物の成長を考えた場合、まず水やりは基本的に朝一番、日中の光合成と共に成長し、夕方から徐々に休止します。例えば最も成長する昼間に、1時間踏圧がかかる活動があれば、以降の時間は翌朝まで休止状態になり、成長はありません。

  • つまり芝生の成長に一番良い方法は、完全にOFFの一日を作ることだと思います。午前中だけ使って、午後は使わない3日間より、完全にOFFの1日の方が、芝は成長するように見えました。

  • 小学校がお休みの日でも、なかよし園はほぼ毎日開いています。なかよし園の子どもたちは、校庭のなかよし園側1/3を中心に使います。その場所が一番回復できない状態が続いていることからも、少し運用を考えても良いのではないかと思います。

3.大きな行事の日程調整

  • 秋の大きな行事が4つ(地区運動会/かやのきフェス/なかよし園運動会/千小運動会)あります。それに対し、ベストな芝のタイミングは2回(夏芝の段階で9月に一度+夏と冬柴のMIXで10月中旬に一度)〜3回といったところかと思います。

  • 今年は残念ながら地区運動会が雨で中止になり、残りの3回が良いコンディションで開催できることができましたが、願わくば6月〜8月の間にいずれかのイベントがシフトしてもらえると、非常にありがたく思います。特に8月〜9月初旬は、暑い時期ではありますが、芝生の上は涼しく、芝も一番元気で回復が早いので、ラジオ体操のように上手く活用できればと思います。


4.芝刈りも芝にはストレスと心得る

  • 夏場は週3回でしたが、刈芝の量を観察することが重要です。芝の成長が止まれば、当然刈芝も少なくなります。徐々に週2回、1回と減っていく場合もあれば、急にパタっと止めた方が良い場合もありますので、慣例のこだわらず、芝の状況を確認しましょう。

5.サッカー/校庭開放の利用停止

  • 9月/10月の2ヶ月間ですが、今年はサッカー/校庭開放ともに、利用停止していただきました。特にサッカーに関しては、2ヶ月に渡る代替施設の交渉や対外試合の調整など、本当に大変なご助力を賜り、心より御礼申し上げます。

  • 地域イベントの重なるこの時期は、来年度以降も、大きな日程変更などがない限り、2ヶ月間の利用停止を継続できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


以上5点を、今年の9/10月の総括とさせていただきました。

千小の校庭が芝生になって、1年と3ヶ月。ゆっくりと芝も運営も成長し、また来年には大きな進歩があるものと思います。今年の経験が活かせるように、今から準備を進めたいと思います。

11月9日の校庭

 

一方で、この冬から春に向けた「冬の芝管理」は、初めての経験になります。エバーグリーンとは、一年間を通じて緑豊かな芝生にすることであり、来年のベストシーズンにつなげる意味で一番重要なのは、これから半年の過ごし方です。


冬休みには、校庭全面をシートで覆い、芝を完全に養生する試みもあります。持てる知識、専門家の経験など全てを注ぎ込み、校庭のエバーグリーンを目指します。各方面のご理解・ご協力と共に、シバッカリィーズの多くの仲間の力で、楽しく学びながら進んでいきたいと思いますので、お時間のある方は老若男女を問わず、ぜひご参加ください。参加はスケジュールから、調整さんに登録するだけです。

それでは、どうぞよろしくお願いします。

















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