来年の補植に向けて
- SHIBAC
- 9月3日
- 読了時間: 5分
更新日:9月3日
連日記録的な猛暑が続いております。さすがの芝も、かなりシンドそうで、思うように成長しきれていない場所も見受けられます。そんなこともありまして、今年の今までの作業を振り返り、改善すべき点がないか、また来年どうしたいかなど、検証してみたいと思います。
ポイントは3つ。
1.生えそろわない場所は、中央部分の正門より:芝苗が足りず、第2回以降の補植になった場所
2.昨年と比較した場合、中央部分の成長が遅い
3.うさお前/東西桜の付近の状況がかなり厳しい
といった状況が見受けられます。
① 年初〜5月を振り返る
年初より、夏芝を徹底して保護することを目的として、昨年の4〜5倍の目土を行いました。毎週日曜日の作業は、ほぼ目土だったと思いますが、運動整備委員会、そしてシバッカリィーズに参加のみなさんの根気強い作業のおかげで、夏/冬芝ともに、5月初旬では、芝が多く残ってくれたように思います。

そして4月30日に、2年生を中心に芝苗を作り、6月7日の第一回補植に向けて、芝苗のお世話と同時に、目土を継続しました。下の写真で見比べると、明らかに芝が残っていました。

一方で今考えると、芝が残っていたこともあり、5月中の目土範囲が曖昧だった気がします。大きく芝がない部分は、見た目にもわかり易く、目土がし易いのですが、芝と芝の間のスキマ部分といいますか、そこが削れているのかどうなのか。こうした部分を、来年はしっかり埋めていければと思います。この頃から、特に東側ピロティー前(うさお前)の削れが目立つようになってきました。
②補植苗の育成と時期について
4月30日に補植苗を作りました。大判の芝を2㎡購入し、細かく切った芝を、2年生と保護者の方々を中心にパレットに植え、120パレット:3,000苗ができました。

そして第1回補植の際、芝苗として十分に成長できた芝苗は、およそ100パレット:2,500苗で、20パレット分:500苗はもう少し成長に時間が必要と判断し、第2回補植までパレットで育苗することになりました。ここで、なぜそうした成長不良があったかを考えます。
②-1.大判の芝の発育状態
苗屋さんから送られてきた大判の芝が、少し元気がなかったように思います。当日かなり暑かったこともあり、最後の頃にはかなり乾燥していました。この大判の芝は、鳥取からクール便で、凍らせた状態で届きます。学校に届いて、すぐに開封して散水したのですが、問題はその時点での成長度合い、つまり温度だったかもしれません。昨年は5月3日と一部12日に芝苗を作りました。たかだか4〜5日なのですが、本来的には5月の中旬に芝苗作りをすることが、気温との関係ではベストだそうです。

②-2.芝苗の育成期間
芝の苗をパレットで育成する期間が、今回は5週間でした。昨年と同様なのですが、これも欲を言えば6〜7週だそうです。この期間に近付けていっても良いかもしれません。
②のまとめ
・大判芝の成長を鑑みた場合、芝苗作りは5月中旬が理想
・芝苗の育成期間は6〜7週間が理想
A1:2026年度の場合、芝苗作り:5月9日(土)
A2:育成期間から逆算した補植日程:6月20日(土)
③第1回補植と養生期間
前日のカップ切り、そして授業での補植と、短時間で楽しく作業ができました。そしてその後の成長も、焼けるような暑さや、利用頻度から考えれば、ほぼ及第点といえると思います。一方で、これは例年あることですが、養生期間の3週間を、できればもう1週間、どうかなぁと悩むところです。芝生には適度なストレスが必要で、甘やかせすぎると、その後のダメージと回復が著しく落ちてしまいます。ここは状況を見ながら判断できることが理想といえます。
④第2回補植とその後の期間
結局今の時点で、成長しきれない箇所は、2回目以降の補植した部分と言えます。しっかり成長はしていますが、まだ芝が幼い状況で猛烈な暑さによって成長が鈍化しているように見受けられます。1回目の補植苗が夏の猛暑に耐え、繁茂していることを考えると、1回目で大量に仕込み、第2回目の分まで植え切ってしまう方が、補植として適切であったのではないかと思います。

⑤うさお前/東西桜の裸地
うさお前は、オケラの発生により根が食い荒らされました。その回復のために、25パレット625苗を補植しました。なんとか回復して、50m走のスタートラインが元気に回復して欲しいと願うばかりです。そして特に東側の桜前では、桜の枝にスプリンクラーの水がぶつかり、そのまま水がしたたり落ち、芝が根腐れを起こして抜け落ちてしまいました。応急処置的な大判の補植を試みていますが、回復の目処は立っていません。

樹木は今活発に動いている時期で、特に桜の剪定はただでさえ慎重に行わなければならず、今秋以降になります。以前から問題の場所ですが、芝生の肥料が桜の根に吸収され、過度の成長し樹形がアンバランスになり、桜自体にストレスがかかるため、専門家による適切な剪定が必須といえます。
⑥まとめ
・寒い時期からの目土は、より細かく、更に頻繁に実施する(1回で2セット:砂2体/目土2袋)
・目土を常備し、サッカー後や気が付いた人がいつでも出来る体制を作る(目土箱の常設化)
・特に5月からの目土を最重点に行う
・補植は2回に分けず、一気に全面の補植が行えるように、大量に苗作りを行う
・芝苗は4㎡分:240パレット=6,000苗!(今年の2倍)
・前日のカップ切りを高学年、補植を低学年など、より多くの子どもたちが参加できるようにする
・2026年度の場合、芝苗作り→5月9日(土)・育成期間から逆算した補植日程→6月20日(土)
・パレットを置く場所が不足するので、例えば圃場前の通路や、プールの脇、屋上なども視野に。
・養生期間:3〜4週間(7/11まで)
・秋季/冬季の剪定により、桜のストレスを緩和させ、芝の適切な土壌を確保する
今年で4年目ですが、その年毎に課題が解決され、そしてまた生まれてきます。なんとも歯がゆいばかりですが、人間の都合通りにはいかないことも、芝生の醍醐味かもしれません。毎日の成長を楽しみに、週3回の刈り込みを元気に続けたいと思います。芝生の校庭でお会いしましょう!

